新天町物語
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第41回
新天町の視察団が渡欧

■1971(昭和46)年3月22日、東京・羽田空港から一機の飛行機がヨーロッパへと飛び立った。その便には新天町からの10人も乗っていた。当時、大型店の天神地区出店を控え、対抗策を練っていた真っ最中の時期。「これからの専門店経営は国際感覚が必要」と、海外旅行が高根の花だった時代に視察団をヨーロッパへ送り出したのだった。
一行は30~40歳、次代の新天町を担う新進気鋭ぞろい。彼らに託された使命は、ロンドン、パリ、ローマ、ジュネーブ、マドリードのヨーロッパ5カ国の首都商店街を巡り、新たな新天町の在り方のヒントを見つけてくること。
「店舗の大きさは新天町の6倍ほどのものもあり、広くゆったりとした通路は客の心を落ち着かせる」「ウインドーのディスプレーにセンスがある」 それぞれの商店街の流通動向や都心部開発の現状に触れ、交通規制や駐車場対策など都市部の交通状況にも目を配った。
「ベテランの店員が客の好みを素早く見抜き、欲しい商品を持って来る」「商品の在庫数が多いのが日本と対照的
でオリジナル商品も豊富」。
専門店近代化の方策について店舗やスタッフの労働状況までもじっくり見て回った。
また「楽しくなからな新天町じゃなかばい」とばかりに、パリの凱旋(がいせん)門前では持参したそろいのハッピで新天音頭を踊るちゃめっ気ぶりも示す。
彼らが体験して感じた貴重な意見は、帰国後すぐさま新天町のその後に反映され、大きな収穫をもたらした。

 
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